初代マッドスキッパー、アフリカンと出会う
ジャイアントマッドスキッパーがやって来た
ジャイアントマッドスキッパー

何故マッドスキッパーが家にきたのか

2000年6月のできごと。
初代マッドスキッパーは、姉貴の家から突然引っ越してきた。
いまはなき 初代マッドスキッパー、アフリカンマッドスキッパーのお話。
2000年のWEB連載当時の文章に、一部コメントを付け足しています。
なお、記事内に出てくる「ジャイアント」とつくマッドスキッパーは他にもいるので、
購入しようと思う方は熱帯魚ショップでの呼び名をアテにしないように。

姉貴は確かにキノボリハゼだと言った

african mudskipper
姉貴から電話があった。
「キノボリハゼとブルーロブスターを飼わへん?」

と言われたのが事の起こり。家で飼えない事情ができたらしい。
ヨシノボリを飼っていたので「ハゼとザリガニなら、、」と思い、OKした。

姉夫婦がやってきて、クーラーバッグの蓋をあけた。

白い腹が見えた。ぷかっと浮いてる。

私 「いやぁ、ひっくりかえってるやん」
姉 「だから流木入れたほうがええんちゃうって言ったのに…(姉の夫に向かって)」
姉夫 「流木持ってきたやつ入れてみ」
流木投入。ハゼがふらっと起きあがって流木に這い上がった。

ああ、、、。確かに木には登ってるよ、それは認める。
「キノボリハゼ」とは違うけどね。

姉貴は半年もの間、この子を亀と一緒に飼っていたそうだ。

姉 「塩を入れると調子がいいんだよ」
私 「塩いれないとだめなん?」
姉 「うちでは塩をちょっと入れてたよ」
私 「だいいちキノボリハゼちゃうし。これ、ほんまは名前なんていうのん」
姉 「ショップで”ジャイアントマッドスキッパー”って書いてあったわ」

(!!何故それを先に言わないんだ)

キノボリハゼだと思って準備していたので塩の用意などなく、水量少なくした淡水水槽に入れた。

そしてその夜、マッドスキッパーについて調べた。
が、ろくな資料が出てこない。泥干潟にすんでいて、日本にも近い種類がいる。いやそんなことより、どうやって水槽で飼えばいいの!
ムツゴロウは海にいるじゃん(←のちに海とはいっても干潟は汽水である事が判明)。
干潟って言われても、家で干潟なんでできないよ。

そして困った時おもい浮かぶのはハゼ博士の向井氏。
私は半ベソかきながらさっそく、向井氏の当時のサイト「Mukai's ENCYCLOPEDIA OF GOBY」にかけこんだ。
そして真夜中にもかかわらず掲示板で色々教えてもらい、汽水の塩分濃度や適温、水換えなど、ようやくどうやって飼育していけばいいのかのメドをたてる事ができたのだった。
そしてその翌日、海水の素を買いに走ったのは言うまでもない。

マッドスキッパーの行動

I quietly approach Mudskipper.
うちのスキッパーは水槽内にある水温計を頭や胸ビレを使ってカチカチならします。夜中なんか、何事かと思うほどカチカチいわせるので何度も見に行ってしまいますが、見に行くと鳴らすのをやめて水槽の前に寄ってきて何事かじっと訴えます。魚の心がわからないこっちは、ひたすら「水汚いんかな、おなかすいたんかな、スジエビに怒ってるんかな(1匹同居。ずっと距離をおいて生存中)、ヒレかゆいんかな、それとも、、、」

一度そおっと隠れて、スキッパーに見つからないようにしながら水温計を鳴らしているのを観察しましたが、胸ビレで水温計をバシバシ往復びんた風に叩いて鳴らしてました(笑)。でも、水温計が割れたら危険なのでデジタル計にしようかとも思ってます。

朝はやく起きると、陸にあがって水槽のはじまで行き、網戸だけにしてガラス戸を開けてあるベランダをじっと見ていたりします。なんだか胸をうつもんがあります。うーん外に出してやりたい。というか自由に出られるようにしてやりたい。いやできればアフリカに連れていって放流したい。野生の魚を飼っていると最後にはかならずおもいはじめません?葛藤ですよね>一緒に暮らしたい。でも自由にもさせてやりたい。

そして2000年 夏

我が愛しのスキッパーは 静かに死にました。
たった 数ヶ月しか生かしてやる事ができなかった。
いつものように元気に砂の上を歩く姿を見たのは朝。スキッパーはベランダを眺めるのがすきなので、その朝も開けたまま出かけたのですが、、、

前夜、ちゃんとクリルを食べたスキッパー。仕事が終わって家に帰れば、ちょんちょんとレンガに手をかけてのしっとあがって来るはずだったのに。

水からあげてみても体は無傷でした。おなかも痩せている様子はありません。ヒレも綺麗なものでした。

ただ、帰ってすぐにみた時、体色だけが真っ黒に変わっていました。
電気をつけ、ライトをあてていると、少しずつですが体色が元の綺麗な色に戻っていきます(そうやよな、オマエもっと、もっと綺麗な色やったもんな、、?)。
時間がたつにつれスキッパーの色は変わり、目の周りの一部を残して元の色にもどりました。ほっぺたの美しい青い星は生きている時とかわらない色で光っているのに。

スキッパーがいなくなった水槽をのぞき込むと、今更のように奴がどんなに可愛かったのかを痛感するのでした。落ちたとか★になったという言葉はしっくりこない。魚が死んだ。魚を死なせた。そう思う。マッドスキッパーは短い期間ですが生きて一緒に暮らしていて、今そこにぽっかり穴が開いた。

「私の知識がもう少しまともだったら死なずにすんだかもしれない=無知が原因で魚を死なせた」
という気持ちが浮かんでは頭をかけ巡り、どっしり重くのしかかる。
じゃあ懲りたかというと、意外に逆でした。
あんなに可愛い魚はいままで、飼った事がない。きっとまたいつか探し出して飼おうと思います。どこかの店の片隅で、じっと待っているかも知れません。

姉貴に伝言。1年分の涙ながした。目ぇ溶けるほど。

執念の調査開始

初代
そしてこの日から、私のマッドスキッパーに対する後悔と、「今度こそ、、、!」という気持ちからくる執拗な調査?がはじまりました。
飼ってみせる。水槽でだ。ちゃんと飼うのだ。生き生きと生かすのだ(ほとんど妄執といってよかった)。 2000年当時、なんとも恨めしかったのは、飼育に関するデータがすぐに見つからなかった事。
そんなわけで私は「マッドスキッパーの水槽飼育」をしようとする人がすぐ飼育情報を探せるようにしたいと願い、自分なりに調べた結果をまとめ、このマッドスキッパーサイトを作ったというわけです。

できるだけ飼育の基本(汽水濃度や温度、陸環境、餌など)が普通の情報として浸透してほしいと思って作りましたが、飼育する人に対しては、今こう思います。

「出せる情報は惜しみなく出すので、読む方はできるだけ本意通りに誤解なく読み取り、そのあとはご自身で考え、よく消化し、最終的にはご自分の判断で思い通りの飼育をしてください」

私は魚に対して感情的に接しすぎますが、魚料理だって食べます
、、、ハゼ科を除いて。
実は 魚やエビザリガニを飼育しているうちに、
ハゼが食えない、エビの脚が怖くてむしれなくなる等、色々と問題が出ております
本当は私は生き物の飼育にぜんぜん向いてないのかもしれません
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