アフリカンマッドスキッパーふたたび
AFRICAN MUDSKIPPER
Periophthalmus barbarus
アフリカンマッドスキッッパー
和名 |
なし |
通称 |
アフリカンマッドスキッパー、アトランティックマッドスキッパー、
ジャイアントマッドスキッパー など |
学名 |
Periophthalmus barbarus |
読み |
ペリオプタルムス バーバルス(or バルバルス) |
寿命 |
自然下で4年前後、飼育下で5〜6年と思われる |
体長 |
最大で18〜22cm (さらに大きい記録もある) |
分布 |
西アフリカ等に分布 |
生息域 |
河口の干潟(汽水域) |
食性 |
干潟のカニやヨコエビなどの甲殻類、多毛類、虫、魚など |
産卵期 |
詳細は不明 |
呼吸
※属共通 |
水中で鰓を使って呼吸する以外に、皮膚をぬらした状態を保つことで、ある程度の皮膚呼吸ができる。また、口中に水を貯め、鰓へ送る事で陸上でもしばらくの間、鰓呼吸が可能。 |
アフリカン…は和名というより熱帯魚ショップでのインボイス(通称)で、多くの場合それを使用しているが、ショップによって異なる例もある。
ジャイアント…を使用している場合は稀に見られる。ただし、オオトビハゼ属の大型種などを指す事の方が多く、時にはムツゴロウ属すら同様の名で呼ばれるので購入する人は名前に頼らず気をつける必要がある。
アトランティック…は英名として通用している。
飼育環境の補足
飼育の詳細は
アクアリストのためのマッドスキッパー飼育方法を参照
1匹飼育の場合45cm以上(できれば60cm。かなり大きくなります)。
2匹なら60cm以上の水槽(できれば90cmで構造を複雑に)。
体重があるので、陸地はしっかりと安定したものを用意する。
岩や流木を陸にする時も、飛び乗った時のことを考えて、ぐらつきのないよう設置。
魚食性が高く、
遊泳魚を
捕獲する能力もピカイチ。
ヒメダカなど10匹れても数分~10分程度で見事に捕らえて食べつくす。
多めに入れておいて置き餌がわりにと思っても、食べつくすのはあっという間。
同居魚のつもりで入れた熱帯魚など、小さければ(大口を開けて飲み込める大きさの魚なら)まるで鵜がアユを呑むように食われてしまうだろう。
ふたたび飼育開始
そもそも
うちで初めて飼ったマッドスキッパーは、姉の家から譲り受けたアフリカンマッドスキッパーだった。突然降ってわいた引き受け要請で、どんな魚かもしらないままやってきたのは見た事もない妙ちきりんな魚。その個体は無念にも数ヶ月というあまりに短い期間で死んでしまい、私に大きな悲しみと悔いと疑問を残していくこととなった。
そして2000年9月、ミナミトビハゼが家に来て、2000年10月には心残りだった「アフリカンマッドスキッパー」がやってきました。(ミナミトビハゼについては、「トントンミーがやって来た」を参照)
先にミナミトビハゼが家に来ていたものの、再び巡り合ったアフリカンマッドスキッパーは大変愛らしく、私の心をつかんで離さなかった(つまり買ってしまった)。
アフリカンマッドスキッパーの性質
買ってきた当初、体長10cm弱と小さめで、ミナミトビハゼ3匹がいる水槽に同居させてみた。はじめこそ、ちょっとミナミトビハゼに追いたてられたアフリカンだったが、ミナミトビハゼよりもはるかに素早い事から上手にエサを横取りしまくり、エサを食べられるかどうかに関してだけは心配なかった。しかし単独のほうがアフリカンマッドスキッパーも落ち着くだろうと考え、しばらく後、新しく水槽を作ってそこに単独で移すことにした。
ところが、単独水槽にしてからスグ、おかしなことが起きた。
かなり快適な水槽にしたつもりだったのに、元のミナミトビハゼがいる水槽に隣接したガラス面に飛びついて跳ねまくり、餌もあれほどガッツ食いだったのに、まったく食が細くなってしまった。
結局また同じ水槽に戻すと、案の定、食欲が戻った。
ただ、ミナミトビハゼのケンカっぱやさが原因で、数ヶ月でミナミトビハゼたち3匹の同居は解消。
それでもアフリカンの性格を考慮して、一番体格のいいミナミトビハゼをアフリカンと同居させる事にした。そのときにはもうミナミトビハゼより大きくなっていたので、割を食ったのは、一番大きなミナミトビハゼだったろうと思う。
その後、アフリカンはあまりにも大きくなってミナミトビハゼを脅かしているため、やむなく単独飼育となった。ただし、ミナミトビハゼと水槽を隣接・密着させておくことにした。
今なお思うことは、この「アフリカンマッドスキッパー」は群れをなしていないと不安を覚えるのではないか?という疑問。
この種がいる場所を見たことはないが、どう~もおかしい。他の種類と反応が違う。 どんな縄張りしてるんだろう? 複数いないとストレスがたまる??
でも彼らも縄張り意識は強く、威嚇する時、鰭をたてて体を大きく見せる以外に、背中に力をこめて上半身と顔を大きく膨らませ、非常に強面の顔に変貌する。緊張がMAXに近くなると頭をガクガクと揺すって威嚇する独特の行動を見せる。
種の見分け方
ど素人の私が簡単に種類を見極めるためには、決め手となるのは背鰭、でなければ腹鰭。
体色は機嫌によって色が様々に変わるものだし、顔つきも幼魚と成魚では随分違うし、まして古い標本のように、固定される際に苦しんで死んだ顔など普段の顔とは随分異なる。
(最近では標本にする際、魚が苦しまないように工夫するようになったらしい)
ライトがあたると全身にブルーのスポットが綺麗に輝くが、他にも同様の特徴があるものがいる。同定の頼りになるのは、背鰭の基色の黒と、濃いブルーラインと、それを縁取る白いエッジだ。